2022年03月18日 08時16分
公営競技の中でも、私が最も魅力とドラマがあると思うのがオートレース!
他競技に比べて圧倒的に競技人数が少ないながらも(全国で約400人)魅力が沢山詰まっています。
全国にたった5ヶ所しかないので、馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
現在は以下の5ヶ所に会場があります。
川口オートレース場(埼玉県川口市)、伊勢崎オートレース場(群馬県伊勢崎市)、 浜松オートレース場(静岡県浜松市中区)、山陽オートレース場(山口県山陽小野田市)、飯塚オートレース場(福岡県飯塚市)
オーバルと言われる楕円形のコースを通常6周回走る。(スーパーグレードレース優勝戦で最大10周回)
スピードで言ったら間違いなく公営競技の中でNo.1。
直線部の時速は150㎞、コーナーでも90㎞、平均で105㎞と言われています。
スタートもとても肝心で、展開も大事、ゴール前のちょい差しまで一瞬たりとも目が離せません。
そこまで考えなくてはいけないのかと思うけれど、力の差があるからこそ、展開予想はとても楽しいです!
最重ハンデから先頭まで駆け上がるのは、観ていて実に気持ちがいいー!!
現在ハンデは0メートルから最大110メートル。
(以前、広瀬登喜夫選手がハンデ340メートルから優勝という前代未聞の伝説がありますが…)
映像で見ると10メートルなんて大したこと無いのでは?と思うけれど、
実際、オートレース場で見ると10メートルはかなり距離があります。
スーパーハンデ(通常の最重ハンデからさらに10メートル後ろ)なんかも話題です。
2011年7月11日に44年ぶりに女性オートレーサーとして31期生で佐藤摩弥選手(川口オートレース場所属・31期)、坂井宏朱選手(船橋オートレース場所属・31期・2012年1月15日練習中の事故で殉職)がデビューしたと思ったら、現在は女性レーサーだけで21名も在籍。かなり増えました。
そして、年齢制限なし!(2022/2/21日現在)
最年少19歳の新井日和選手(伊勢崎オートレース場所属・35期)から75歳の鈴木章夫選手(浜松オートレース場所属・2期)まで幅広い年齢層の選手が在籍しています。
75歳が150㎞のスピードで走っているなんて!普通には考えられないですね…。
公道だったら高齢者のスピード違反!?笑
ちなみに鈴木章夫選手はご自身で公営競技最年長勝利記録をどんどん塗り替えられております。
75歳167日で記録更新。(2022年2月5日浜松市営第3回第3節)
この記事が出る頃には、もう記録更新されているに違いない…!?
その度に、ニュースになるのはとても嬉しいことです。
鉄人、鈴木章夫選手にはこれからも公営競技最年長勝利記録をどんどん伸ばしていただきたいです!
さらには公営競技最年長優勝記録も是非!記録更新をお願いしたいですね。(2022年2月21日現在)
ちなみに、公営競技の最年長優勝記録は71歳2か月でボートレースの加藤峻二選手(2015年5月7日引退)が記録ホルダー。
オートレース最年長優勝記録は2021年11月23日に伊勢崎オートレース場で行われた伊勢崎アフター5ナイター開催において、鈴木清市選手(伊勢崎オートレース場所属・14期)が68歳9ヶ月4日で優勝し、記録ホルダーとなっています。
このようなレジェンド達の活躍も魅力の一つだと思います。
オートレースは他のモータースポーツのように選手の他にメカニックスタッフや司令塔がいるわけでも無く、全ての整備から作戦を練ること、そして乗り手まで選手個人が行います。
一部支給品を除き、パーツや道具もほとんど自己負担な為、賞金の大半が整備代に消えて行ってしまう選手も居るとか居ないとか…?
一つのバイク(競走車)にも沢山お金がかかりますよね。
例えば整備が上手くいかなかったら…?作戦をミスしたら…?乗り方が下手だったら…?
誰のせいでもない、全て自己責任になります。
かなりのプレッシャーだと思いますが、そんなプレッシャーとも選手は戦っているのですね。
バイク(競走車)の乗り方技術が上手い選手は強い!でもそれだけじゃ勝てないのがオートレースです。
同時にメカニックとして整備巧者にもならないといけません。
オートレースは師弟制度なので、養成所を無事卒業したら新人のうちは師匠に弟子として指導いただき(お笑いもそうなので勝手に共感しています。師匠の言う事は逆らえません…笑)
そして派閥やグループの先輩から、数多くのオートレースに必要な整備や技術を学んでいきます。
学ぶと言っても多種多様の体験をして、体に染み込ませていく感じでしょうか。
実践、練習あるのみ!!
練習量は選手によって人それぞれですが、多くのトップレーサーほど沢山練習しているイメージがあります。
そして、天候や気温に合わせて整備を調整していくのは、もはや一人の研究者に思えます。
失敗と成功を繰り返して、選手は技術を磨いているのですね。
「走る格闘技」とも呼ばれ、その名の通り火花が散る熱いバトルが繰り広げられています。
オートレースの高速での接近戦は本当に迫力があります!
あんなに速いスピードで走るのにバイク(競走車)にブレーキが付いていないなんて!!
(後続車の追突事故防止のため)
オートレースの魅力を語るには、
何と言っても、あの音!エンジンの爆音をレース場で聴いて虜になる人は多いです。
間違いなく私もその一人です。初めてレースを観た時にハートを撃ち抜かれました。
エンジン音の振動が金網の外で観ていても伝わって来ます!
レース中は隣の人の話し声なんか聞こえません。
エンジンの音、ただそれだけなのがとても心地良いのです。
そしてコーナリングの際の鉄下駄と走路の摩擦音!シャリシャリシャリ…と言う何とも表現しがたい音。
あれは絶対に中継では体感できないので、本場で生観戦を未体験の方は絶対に体感していただきたい音です。
ナイターレース、ナイトレース、ミッドナイトレースでは綺麗な火花を目にする事が出来ます。
火花職人と言ったら、何と言っても穴見和正選手(山陽オートレース場所属・12期)ですね。
芸術的な傾き、極端すぎるイン走行が魅力で、スタートも速く、めちゃくちゃ強い!
穴見和正選手をインから綺麗に捌ける(抜ける)選手はなかなか居ないです。
ナイターレース中継を見ていても、穴見和正選手の後ろの選手はあんなに火花を被って…火傷してない!?と心配になるぐらい火花が出ている時があります。笑
私が後ろの選手だったら確実に逃げていますね。
見惚れてしまうぐらいの美しい火花。多くのファンを魅了しています。
そして、オートレース場でのあの匂い。
以前、ロッカー見学のイベントで体験した時はものすごく感じたのですが、普段のレース場でも感じられます。
レース場グルメの美味しい食べ物の匂いではなく、オートレース場独特の匂いです。
私の場合、オートレース場に通いすぎていて、意識しないと分からないのですが、独特の匂いがあります。
春夏秋冬違うのです。
真夏の焼けつくような熱走路とタイヤの匂い。ナイターレースの火花の匂い。
真冬に極寒の中、研ぎ澄まされたエンジン音とオイルの匂い。
あの匂いが大好きです。
勿論、レースを見ながら食べるオートレース場グルメも美味しいですよ。
まさに五感で楽しめるオートレース!
☆ライタープロフィール☆
合同会社ライターズ所属 カルーア啓子
(オートレース大好き漫談/バルーン漫談師/かき氷マイスター/ラジオパーソナリティ)
オートレース大好き漫談、お笑いバルーンショー、司会など。 オートレースを愛し、オートレース場に誰より通うお笑い芸人。オートレースの面白さと魅力を皆様にお届けしています!
【FMやまと】でラジオパーソナリティや【NPO法人笑顔工場】の理事で演芸ボランティアなどをやっています。世界に7人しかいない国際かき氷協会認定のかき氷マイスター。介護の資格を保有。 実際に介護施設で勤務経験あり。心に寄り添った笑いを大事にしています。